備えは“もしも”ではなく“いつも”のために
災害は忘れた頃にやってくる──この言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
日本は地震、台風、大雨など、自然災害が多い国です。
近年では、数十年に一度とされる大雨が毎年のように発生し、地震も予測が難しいため、
いつどこで何が起きても不思議ではありません。
しかし、多くの人にとって「災害時の備え」は後回しになりがちです。
「準備するのは面倒」
「何を揃えたらいいのかわからない」
「非常食は高いし、すぐに賞味期限が切れそう」
──そう思った経験はありませんか?
実は、備えを特別なものだと考える必要はありません。
日常生活の中で少し意識を変えるだけで、いざというときの安心感がぐっと増します。
たとえば、普段の食事に使うお米やレトルト食品を少し多めに買っておき、
った分だけ補充する「ローリングストック法」を取り入れれば、
特別な準備をする必要はありません。
災害時に大切なのは、栄養バランスの良い食事を取ることです。
食べ慣れたものがあるだけで、心の安心感も得られます。
今回の記事では、普段の生活に取り入れやすい備蓄法や
簡単な非常食のアイデアをご紹介します。
今日から無理のない小さな一歩を始めてみませんか?
“もしも”のための備えを、“いつも”の暮らしの一部にしてみましょう。
災害時に必要な食事の基本ポイント
災害時の食事は、日常とは異なる制約の中で栄養とエネルギーを確保するために工夫が必要です。
停電や断水などが発生し、ガスや電気が使えなくなる状況でも、体調を維持できる食事を備えておきましょう。
ここでは、非常時の食事に欠かせない基本ポイントを3つご紹介します。
① 保存期間が長いもの
非常時の食事では、長期保存が可能な食品が重要です。
レトルト食品や缶詰、乾パン、インスタント麺、フリーズドライ食品などは、数か月から数年保存できます。
これらの食品は、賞味期限が長く、災害時だけでなく普段の生活でも活用できます。
② 栄養バランスが良いもの
災害時は体力を維持するために、炭水化物(ご飯やパン)、タンパク質(ツナ缶や豆類)、
ビタミン(乾燥野菜やフルーツ缶)を組み合わせた食事が理想的です。
栄養が偏ると免疫力が低下し、体調を崩しやすくなります。
普段から食べ慣れているものを備蓄すれば、非常時も心身の負担を軽減できます。
③ 簡単に食べられるもの
災害時には、調理不要でそのまま食べられる食品が便利です。
温めなくても食べられるおにぎり用のレトルトご飯、缶詰の魚や肉、クラッカーやビスケットなどが役立ちます。
飲み物も忘れずに備えておきましょう。
これらのポイントを押さえて、日常生活に取り入れやすい備蓄方法を考えてみましょう。
いざという時の安心がきっと増します。
「おうち食」のすすめ ~普段の食事がそのまま備えに~
災害時の備蓄というと、特別な非常食を思い浮かべがちですが、
実は普段の食事がそのまま非常時の備えになる方法があります。
それが「ローリングストック」という考え方です。
ローリングストックとは、普段からよく使う食品を少し多めに買っておき、
使ったらその分を補充することで、常に一定量の備蓄をキープする方法です。
特別な準備をする必要がないため、忙しい日常でも取り入れやすいのが魅力です。
たとえば、普段の食卓に欠かせない「お米」や「パスタ」、
長期保存が可能な「缶詰」や「レトルト食品」は、災害時にも役立つ心強い食材です。
これらを日常的に消費しながらストックすれば、
無駄な買い置きや食品ロスも防げます。
実践例として、味噌玉づくりがおすすめです。
味噌と乾燥野菜、だし粉末を混ぜて丸めておけば、
お湯を注ぐだけで簡単に栄養たっぷりの味噌汁が完成します。
忙しい朝食にも便利なうえ、災害時には温かいスープが心の安らぎにもなります。
また、おにぎりの具材もローリングストックにぴったりです。
ツナ缶や鮭フレーク、ふりかけなどは保存期間が長く、非常時にも簡単におにぎりを作れます。
ラップやジップ付き袋も一緒に備えておけば、手を汚さずに調理できるので衛生面も安心です。
「おうち食」を意識すれば、日常と災害時の食事が自然に結びつきます。
今すぐ始められるこの方法で、家族の食の安心を確保してみませんか?
具体的な備蓄リスト例(簡単版)
災害時に必要な食料を備えるには、「どんな食品をどのくらい用意すればいいのか?」
と悩む方も多いでしょう。
ここでは、初めての備蓄でも取り入れやすい簡単なリストをご紹介します。
ポイントは、保存期間が長く、普段の食事でも使いやすい食品を選ぶことです。
1. 主食類
災害時のエネルギー補給の基本となるのが主食です。
ご飯のパック、パンの缶詰、乾麺類(うどん、パスタ、そばなど)があると安心です。
電子レンジが使えなくても食べられるおにぎり用のご飯パックは特に便利です。
2. タンパク質
体力を維持するためにはタンパク質も欠かせません。
ツナ缶、サバ缶、鶏肉の缶詰は栄養価が高く調理不要です。
フリーズドライの卵もお湯を注ぐだけで使えるため、非常時の料理の幅が広がります。
3. 野菜・果物
野菜や果物の栄養は災害時も必要です。缶詰のコーン、ミックスビーンズ、トマト缶はそのまま食べたり、
料理に使えたりして便利です。フリーズドライの野菜は軽量で保存も効き、
ドライフルーツはビタミン補給に役立ちます。
4. 飲み物
水は命を守る最重要アイテムです。1人1日3リットルが目安で、最低3日分は確保しましょう。
スポーツドリンクや粉末飲料も加えると、体内の塩分・糖分補給に役立ちます。
これらを家族の人数分と日数分で計算し、保管場所を決めておくと安心です。
非常食の備蓄は、いざというときの心の備えにもつながります。
まずはこの簡単リストから、無理のない備えを始めてみましょう。
今すぐできる小さな一歩 ~備えは今日から始められる~
「災害時の備蓄は大事だと思うけれど、何から始めたらいいかわからない」
「忙しくて準備する時間がない」
──そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、備えは何も一度に揃えなくても大丈夫。
今すぐできる小さな一歩から始めてみましょう。
まず、今週末に「非常時用食品リスト」を作るのがおすすめです。
紙に書き出すのでもスマホにメモするのでもOK。
ご飯のパックやツナ缶、乾麺、水など、家族の好みやライフスタイルに合った食品を書き出してみましょう。
食べ慣れたものなら、非常時にも安心して食べられます。
次に、スーパーで「おうち食」をひとつ多めに購入してみてください。
たとえば、いつも買うお米やパスタ、缶詰を1個余分に買い置きするだけで、自然と備蓄が増えていきます。
消費したら買い足す「ローリングストック法」を取り入れれば、無駄になる心配もありません。
備えは特別なことではなく、日常生活の延長線上にあります。
すべてを完璧に揃えようとすると負担に感じますが、ほんの少しの意識で「備える暮らし」が始まります。
大切な家族のため、そして自分自身の安心のために、今日からできる小さな一歩を踏み出してみませんか?
備えが家族の安心に繋がる
災害はいつ起こるかわかりません。私たちが自然の力を完全に防ぐことはできませんが、
「備える」ことで心の不安を少しでも軽くすることはできます。
特に、食の備えは家族の命と健康を守るうえで欠かせないものです。
災害時には、普段当たり前にあるはずの食事が、何よりも貴重なものになります。
停電や断水が起きても、温かいスープが一杯あるだけで、
家族の心と体が癒され、元気を取り戻せるでしょう。
食べ慣れた味がそこにあることで、非常時でも安心感を得られます。
「面倒そうだから」「何を揃えたらいいのかわからない」と思っている方も、
まずは小さな一歩から始めてみてください。
たとえば、スーパーでお気に入りのレトルトご飯や缶詰をひとつ多めに買うこと。
それだけでも非常時の備えが増えていきます。
どんなに小さな準備でも、それは必ず家族の笑顔を守る力になります。
突然の災害が起きても、「食べるものがある」という安心感が、
心の余裕や前向きな行動に繋がります。
災害は防げないけれど、備えはできます。家族の未来を守るために、
今日から無理のない備蓄を始めてみましょう。
そのひと工夫が、きっと大切な人たちの笑顔を支える大きな力になります。
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