「空腹時間をつくりすぎる」落とし穴
近年16時間ダイエット(インターミッテント・ファスティング)が話題になっています。
これは、1日のうち8時間だけ食事を摂り、残りの16時間は何も食べないという方法です。
「空腹の時間をつくることで、内臓を休めたり、脂肪燃焼を促したりできる」
とされ多くの人が実践しています。
しかし16時間ダイエットにはメリットよりも見逃せないデメリットが多々あります。
特に、お米と味噌汁を基本にした食生活を大切にしている私にとって、
この方法には大きな疑問を感じる部分がありました。
実際に試した結果や、科学的な視点から見たリスクを紹介します。
① エネルギー不足による集中力の低下と疲労感

16時間も食事を摂らない状態が続くと体のエネルギーが不足し
集中力が低下したり疲れやすくなったりすることがあります。
特に、次のような場面ではパフォーマンスに影響が出る可能性が高いです。
✅朝の仕事や勉強中に頭が回らない
✅午前中に疲れやすくなる
✅イライラしやすくなる
脳の主要なエネルギー源はブドウ糖です。
長時間糖質が補給されないと頭がぼんやりしたり、思考力が低下することがあります。
さらに、朝食を抜くと体温が上がりにくくなり、1日の代謝が低下してしまうこともあります。
「午前中にエンジンがかからない」「イライラしがち」と感じる人は、
16時間ダイエットの影響かもしれません。
② 食事のリズムが乱れ、ドカ食いのリスクが高まる
16時間ダイエットでは8時間の食事時間に栄養をしっかり摂る必要があります。
しかし多くの人が食事の回数が減るので体に負担をかける食べ方になっています。
✅1食の量が増え、消化に負担がかかる
✅食べる時間が短いため、早食いになりがち
✅食欲がコントロールしにくくなり、ドカ食いしてしまう
特に朝食を抜いた場合、昼食や夕食で過剰に食べてしまうことが多くなります。
結果的に、「摂取カロリーが減るどころか増えてしまった」というケースも珍しくありません。
また、急激な空腹の後に大量の食事を摂ると血糖値が急上昇しやすくなり、
インスリンの過剰分泌による肥満のリスクも高まります。
血糖値の急上昇により、血糖スパイクを引き起こすため昼食後に異様な睡魔に襲われたり、
血管を傷つけてしまっているので病気のリスクを高めています。
③ 筋肉量の低下と基礎代謝の低下

Closeup of woman pinching belly fat. Young slim woman in blue shorts pinching her abdomen. Diet and weight loss concept
16時間ダイエットを続けるとエネルギー不足が続き、
体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。
これにより筋肉量が減り基礎代謝が低下するリスクが高まります。
✅筋肉が減ると、痩せにくくなる
✅リバウンドしやすくなる
✅体が冷えやすくなる(代謝が落ちるため)
特に女性は筋肉量がもともと少ないため、無理な空腹時間を続けることで
筋肉が減りやすくなります。健康的に痩せたいなら「食事の間隔を空ける」
よりも「しっかり食べて、筋肉を落とさない」ことが重要です。
女性のホルモンバランスに悪影響?16時間ダイエットのリスク
16時間ダイエットは一見するとシンプルな方法ですが
特に女性にとってはホルモンバランスを崩すリスクがあることがわかっています。
① ホルモンの乱れで生理不順・冷え性が悪化する
女性の体は一定のリズムでホルモンが分泌されるように設計されています。
16時間も食事を摂らない状態が続くと、以下のような影響が出る可能性があります。
✅生理不順になる
✅冷え性が悪化する
✅肌のハリや潤いがなくなる
特に女性ホルモン(エストロゲン)は適切な栄養摂取によって安定するものです。
無理な空腹時間が続くとホルモンの分泌が乱れ、体調が悪化することがあります。
② ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が増える
長時間空腹が続くと体は「飢餓状態」と判断しストレスホルモンである
コルチゾールを分泌します。
コルチゾールが増えると次のような悪影響が出ます。
✅イライラしやすくなる
✅ストレスを感じやすくなる
✅脂肪を溜め込みやすくなる(特にお腹まわり)
「食べない=痩せる」ではなく、
「食べないことでストレスが増え、逆に太りやすくなる」こともあるのです。
お米を適度に食べることが、長期的に見て健康的
お米は消化吸収がよくエネルギーになりやすいため、朝食や昼食に適した食材です。
16時間ダイエットで朝食を抜いてしまうと体がエネルギー不足になり、
午後のパフォーマンスが低下しがちです。
また、空腹時間が長すぎると、以下のようなリスクも高まります。
✅腸内環境が乱れやすくなる(腸内細菌は定期的な食事で安定する)
✅血糖値の急上昇・急降下が起こりやすくなる
✅リバウンドしやすくなる
「ダイエット=食べない」ではなく「何を、どのように食べるか」を考えることが重要です。