各年代に忍び寄る新型栄養失調の恐怖

新型栄養失調とは?

対策と予防の重要性

栄養失調と聞くと、食糧不足により、毎日食事を食べられず
見た目がやせ細ってしまっている状態をイメージされると思います。

しかし新型(現代型)栄養失調は、
毎日の食事から十分得ているつもりでも
カロリー過多にもかかわらず
必要な栄養素不足や偏った栄養素の過剰摂取など
バランスが崩れ、体調など健康障害が出ている状態です。

それにより現代社会では多世代にわたり「新型栄養失調」という問題が深刻化しています。

特に新型栄養失調はのリスクは、中高年男性によるメタボリックシンドロームをはじめ、
高齢者によるフレイルロコモティブシンドロームにつながる危険性、
若年女性による偏ったダイエットによる母から子どもへの健康などにも関与しております

 

新型栄養失調が増加する理由

新型栄養失調とはカロリーは充分摂取できているのに
カラダの機能を調整するビタミンミネラル不足が原因です。

・加工食品の増加
・精製度の高い食品の増加
・食事回数の減少(1日2回、1回)
・パンやパスタなど手軽に食べられる食品への依存これらの食品は、加工の過程でビタミン、ミネラル、食物繊維など、
本来私たちの体に必要な栄養素が失われがちです。

新型栄養失調によるリスク

新型栄養失調の最大の問題点は、
現在健康であっても、不足している栄養素が将来的に私たちの体に様々な影響を及ぼすことです。

不足している栄養素

・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
・糖質(穀物由来)
・タンパク質
・エネルギー不足

過剰の栄養素

・脂質
・糖質(砂糖など甘味)

 

栄養素は私たちのカラダをつくるうえで欠かせないものです。
不足すると筋肉や骨、代謝機能に悪影響を及ぼし、
病気やケガからの回復を遅らせる可能性があります。

各世代ごとの問題点

1)高齢者によるフレイルやサルコペニア、ロコモティブシンドローム

特に40代を過ぎると、ホルモンバランスの変化により、
骨や筋肉の衰えが顕著です。
食欲の低下や義歯の状態が悪く、思うように食事ができない際、半年で体重減少が5%になると
筋肉量が減少する可能性も。これがサルコペニアを引き起こします。
筋肉量の減少により、転倒し骨折にもなりかねません。
フレイルやサルコペニア、ロコモティブシンドロームは高齢者の生活にとって
負の循環となり最終的には寝たきりや認知症へとつながる可能性があります。

2)若年女性(20~30代)

若年女性による不規則な食生活は、日本では深刻な課題です。
自己流のダイエットにより、痩せすぎにより栄養障害を引き起こし、無月経や生理不順、摂食障害など
心身ともに崩してしまいます。また間食の過多により、カロリーは充足していてもタンパク質やビタミン、ミネラル
不足から本来の若々しさを失ってしまします。
そして将来出産を望んだときには妊娠がしにくいことも。
さらに妊娠中、胎児へ栄養がいきわたらず、低体重出生児で出産になるケースも多いです。
低体重出生児は通常の体重児の子と比べると、将来冠動脈疾患を発症するリスクがかなり高いです。

3)中年男性

単身赴任、独り暮らし、外食中心の方に多いです。
外食や中食はカロリー過多で、ミネラルやビタミン、食物繊維不足によります。そのため代謝が落ち、
内臓脂肪の増加により、血糖値上昇、高血圧、脂質異常症、尿酸値高値、肝機能など
メタボリックシンドロームの引き金になります。

新型栄養失調の予防と対策のポイント

バランスの取れた食事を心がけることです。

健康な体を維持するためには、加工食品や精製された食品を避け
自然の状態に近い食品を選ぶことが重要です。
これにより、必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を効率的に摂取できます。

具体的には、全粒穀物、野菜、果物、豆類、肉、魚など、
多様な食品群から成る食事を心がけましょう。

栄養価の高い食品を選ぶことが大切です。
以下に、具体的な食事例を挙げます。

【朝食(和食)】
ご飯:エネルギー源、緩やかに糖を吸収。食物繊維を含む。
具沢山みそ汁:キノコ類、海藻類、緑黄色野菜。ビタミンやミネラル、食物繊維、たんぱく質補給
みそは発酵食品のため、腸内環境も整える。
おかず:鮭、納豆、目玉焼きなど
たんぱく質を補給。

【昼食(定食スタイル)】
ご飯:エネルギー源、緩やかに糖を吸収。食物繊維を含む。雑穀や玄米が選べたらなお良い
具沢山みそ汁:キノコ類、海藻類、緑黄色野菜。ビタミンやミネラル、食物繊維、たんぱく質補給
おかず:肉や魚など。揚げ物もOK。原材料が何かわかるものを選ぶ

【夕食】
ご飯:エネルギー源、緩やかに糖を吸収。食物繊維を含む。
具沢山みそ汁:キノコ類、海藻類、緑黄色野菜。ビタミンやミネラル、食物繊維、たんぱく質補給
季節の野菜は抗酸化物質と食物繊維を豊富に含む。
魚料理(サーモン、鯖など):オメガ3脂肪酸が豊富で、心臓病リスクを低減。

 

【飲み物】
十分な水分:1日に2リットルの水分摂取を目指す。
緑茶:抗酸化物質が豊富。
コーヒー(適量):適量なら健康に良い影響を与えることが示されています。

 

日々の食事で見直すだけで、老化のスピードもコントロールでき
将来の健康が大きく変わっていきます。
あなたの「やりたいこと」を支える健康な体を一緒に目指しましょう。
今日からできる予防策を始め、長期的な健康維持に向けた一歩を踏み出しましょう。

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