消化できない食物繊維が、なぜ体にいい?

腸活と食物繊維について

最近、日本では女性の大腸がんが最も多いがんとなっています。
この状況を改善するためには、日々の食生活を見直すことが重要です。
特に食物繊維の摂取は、大腸がんの予防に大きな効果があるとされています。
食物繊維は腸内の有害物質を吸着し、体外に排出する働きがあります。
これにより、腸内環境が整い、がんのリスクを低減することができます。
今回は、腸内環境を整えるための食物繊維について詳しくお話しします。

食物繊維の重要性とその種類

まず、食物繊維とは何かご存知でしょうか?
かつては、食物繊維は無駄なものと考えられていました。

それは、人間の体は食物繊維をほとんど消化できず、そこから栄養素を得ることができないからです。
しかし、最近では食物繊維が注目されるようになりました。

その理由は、食物繊維が「人体にとって消化しにくい」ため、低カロリーであり
また腸内の不要な物を便と一緒に排泄してくれます。

そのため食物繊維は、腸内環境を整えるために非常に重要な役割を果たします。

食物繊維にはは、便通を改善、腸内の有害物質を排出、血糖値の急上昇抑制、コレステロールの排泄など
生活習慣病の予防に欠かせません。

食物繊維には大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
それぞれの特徴と働きについて見ていきましょう。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、水に溶ける性質を持ち、ゲル状になって腸内をゆっくり移動します。
この繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を助け、
悪玉菌の増殖を抑制することで腸内環境を改善します。

また、水溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにするため、血糖値の急上昇を防ぐ効果や
血圧の上昇抑制、コレステロールの吸収を抑え、心血管疾患の予防にも寄与します。
さらに腸内環境が整うことで、免疫機能も高まります。

水溶性食物繊維が多く含まれる食品には、次のようなものがあります。

  • 果物(りんご、バナナ、柑橘類など)
  • 野菜(にんじん、ブロッコリー、かぼちゃなど)
  • 海藻(昆布、わかめ、ひじきなど)
  • こんにゃく
  • オートミール

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、硬い食べ物に多く、しっかり噛んで食べるものばかりです。
唾液や胃液の分泌が増し、食物繊維が膨らむことで満腹感が得られます。
そのため過食が抑えられます。

また噛むことによって、満腹中枢も刺激されるので、自然に食欲がコントロールできます。
その他、水に溶けない性質を持ち、腸内で水分を吸収して膨らみます。
便のかさが増して腸の動きを促進し、便通を改善します。

また、不溶性食物繊維は腸内の老廃物や有害物質を吸着し、体外に排出する効果があります。
このため、腸内を清潔に保つだけでなく、便秘の予防にも役立ちます。

不溶性食物繊維が多く含まれる食品には、次のようなものがあります。

  • 穀物(雑穀、玄米、全粒粉パンなど)
  • 豆類(大豆、ひよこ豆、レンズ豆など)
  • 野菜(ごぼう、さつまいも、ほうれん草など)
  • きのこ(しいたけ、えのき、しめじなど)
  • ナッツ類(アーモンド、くるみなど)

 

食物繊維の摂取方法

穀物、野菜、きのこ、海藻類、果物から食物繊維を取り入れていきましょう。

穀物

穀物には豊富な食物繊維が含まれています。
特に雑穀、全粒穀物や玄米はおすすめです。
これらは精白されていないため、栄養価も高く、腸内環境を整えるのに最適です。

白米に雑穀を混ぜて炊くだけで、食物繊維量は増えます。
もち麦は茹でておき、サラダにトッピングやひき肉料理に混ぜるとかさ増しもでき使いやすいです。

野菜

野菜は、ビタミンやミネラルとともに食物繊維を多く含んでいます。
特に葉物野菜や根菜類は、日常的に摂取したい食材です。
加熱するとカサが減るので、1食で食物繊維が取り入れやすいです。
例えば煮物、スープ、炒め物などで手軽に取り入れられます。

きのこ

きのこ類も食物繊維の優れた供給源です。
きのこには不溶性食物繊維が多く含まれており、
腸内で水分を吸収して膨らむため、お通じを良くする効果があります。

海藻類

海藻類には、アルギン酸という食物繊維が豊富に含まれています。
アルギン酸は水溶性食物繊維で、体内でゲル状になり、
有害物質を吸着して体外に排出する働きがあります。
もずくやめかぶは副菜として1品にすると続けやすです。

果物

果物にはペクチンという水溶性食物繊維が含まれています。
ペクチンは腸内の善玉菌の餌となり、腸内環境を整える効果があります。
りんごやバナナ、ベリー類などを日常的に摂取することで、健康的な腸を維持できます。

食物繊維の摂取目安

残念ながら現代人の食事は食物繊維不足です。
特に20代、30代の若者は朝食欠食やコンビニやお惣菜、外食など増えるため
1日の食物繊維が11g前後とかなり少ないのが現状です。

厚生労働省による日本人の食事摂取基準2020では
食物繊維の1日の摂取目標量を成人男性で約21g/日以上女性は18g/日以上とされています。

これは、日常の食事に少し工夫を加えるだけで達成可能な量です。
例えば、朝食を和食にする。さらに雑穀ごはんにするのがオススメ。
朝食欲がない場合はシリアルなど食物繊維が多いものを選びましょう。

昼食や夕食に野菜たっぷりのサラダや煮物を取り入れることで、
自然と摂取量を増やすことができます。

毎食ご飯など穀物を摂取し、
小皿1~2皿ずつ野菜、キノコ類、芋類、海藻類を食べるよう心掛けてみてください。

まとめ

食物繊維は腸内環境を整えるために欠かせない栄養素です。
腸内環境が整うことで、免疫力が高まり、美肌効果も期待できます。
日常の食事に少し意識を向け、バランスよく食物繊維を取り入れて、健康な体を維持しましょう。
ぜひ、今日から食物繊維を意識した食生活を始めてみてください。

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